?国内物流の広域化の進展と幹線輸送の重要性の高まり
[国内物流の広域化の進展]
わが国の高速道路め整備延長は年々順調に推移しており、近畿圏においても明石海峡大橋や京奈和自動車道などが事業中であるほか、多様なプロジェクトが構想・計画されている。このような高速交通体系の整備進展にともない、自動車を利用した移動時間は大幅な短縮が見込まれ、交流圏の拡大や地域間の連携の強化が期待される。
このような中、運輸省運輸政策局「貨物地域流動調査」によると、近畿圏内々の物流と比べて広域物流(近畿圏と他地域間の流動量)のウェイトが高まる傾向が見られる。
また、高速道路周辺に大規模なトラックターミナルの立地が進んでいることにも見られるように国内物流の広域化が進展している傾向が見られる。
そのため、広域高速交通体系の整備進展により、物流時間の短縮化が図られており、その効果は特に遠距離ほど大きいと考えることができる。
近畿圏発着貨物にみる方面別発着貨物増減率
|
北海道 |
東北 |
関東 |
甲信越 |
北陸 |
中部 |
近畿 |
中国 |
四国 |
九州 |
全国 |
総貨物 |
-5.0 |
16.8 |
10.4 |
-1.0 |
-46.9 |
3.6 |
-1.9 |
2.4 |
-4.9 |
12.1 |
-1.5 |
農水産品 |
-19.4 |
58.1 |
37.6 |
73.9 |
-49.6 |
-6.2 |
15.4 |
5.1 |
-49.4 |
63-1 |
12.8 |
林産品 |
-37.1 |
944.9 |
25.0 |
-47.2 |
261.8 |
96.9 |
27.1 |
-47.8 |
-19.6 |
-2.1 |
24.5 |
鉱産品 |
-52.8 |
71.8 |
-49.9 |
-40.2 |
-94.3 |
-37.8 |
14-8 |
6.4 |
-8.9 |
9.2 |
7.4 |
金属機械工業品 |
-55.7 |
15.8 |
15.7 |
-30.3 |
6.7 |
-17.4 |
-3.7 |
-14.2 |
-5.9 |
25.9 |
-3.7 |
化学工業品 |
131.8 |
-26.3 |
7.2 |
-46.2 |
6.7 |
25.8 |
13.3 |
7.6 |
-4.9 |
-5.6 |
11.8 |
軽工業品 |
13.8 |
24.8 |
-24.0 |
-12.6 |
23.3 |
0.9 |
4.0 |
34.8 |
33.9 |
-8.5 |
4.5 |
雑工業品 |
245.9 |
5.0 |
6.4 |
40.1 |
222.7 |
47.1 |
14.7 |
37.9 |
53.6 |
38.8 |
18.0 |
特殊品 |
50.0 |
44.1 |
42.7 |
64.6 |
-55.4 |
-21.3 |
-36.7 |
18.1 |
-16.5 |
58.2 |
-34.4 |
その他 |
22.4 |
17.5 |
30.9 |
37.5 |
17.5 |
42.0 |
129.1 |
-13.1 |
3.7 |
-3.9 |
40.6 |
(単位)% |
(注釈)1:全輸送機関を対象 |
(注釈)2:期間は昭和63年から平成6年度の6年間 |
(注釈)3:広域とは近畿圏と他圏域間の発着貨物量を対象としたもの |
(注釈)4:方面別に貢献度の高い品目3つを網かけしている。 |
(資料)運輸省運輸政策局「貨物地域流動調査」 |
[幹線輸送の効率化の要請]
今後大きな経済成長が見込めないなか、幹線輸送を強化することによって、物流コストの削減を図っていこうとする動きがある。
また、道路交通の混雑、環境問題、労働力不足等への対応の必要性からモーダルシフトの要請が高まっている。
そのような中で、鉄道、海運の高い輸送効率と環境への負荷が小さいといった視点から、幹線輸送における従来のトラック主体の輸送体系の見直しが求められている。
一方で都市から地方への輸送貨物量と地方から都市への輸送貨物量とのアンバランスが指摘されるなど、広域物流の効率化を図るうえで問題点もあげられている。
前ページ 目次へ 次ページ